第80番 地蔵寺
詳細
●本尊/地蔵菩薩 ●開山/弘法大師 ●創建/大同年間(806)
●所在地/徳島県小松市松島町11-26 ●電話 (0885)32-1043
紹介
【略縁起】
紀伊水道を臨む小松島市は、古代の荘園支配から起った。京都仁和寺領である。中世に阿波地方の要港として栄え、源平合戦で義経が上陸したことは有名。
地蔵寺は海岸に近い街中にある。寺伝に弘法大師の創建という。平地の境内は諸堂が整い、名刹にふさわしい構えであった。 本尊は地蔵菩薩、脇侍に不動明王、毘沙門天を安置し、いずれも藤原仏の作風を伝えている。説に弘法大師作という。
次のような逸話が伝えられていた。 雪舟和尚は小僧のときに涙で鼠を描いた。この本尊は錫杖で鼠を突いたという。故に「鼠つき地蔵」の俗信がある。
書院は文化年間に平島公方の館を移築した。 平島公方は、室町殿十一代義澄の子・義冬である。淡路島で失意のうちにあったのを、阿波細川氏が迎えて厚遇した。九代 美根の代に京都へ戻る。