第31番
王至森寺
詳細
●本尊/大日如来 ●開山/舒明天皇 ●創建/舒明帝12年(639)
●所在地/〒793-0010愛媛県西条市飯岡3240-2 電話(0897)55-2251
紹介
【略縁起】
山家の風景に金木犀の花がよく似合う。香華を手向けるという信仰の表れだろう。秋はそこかしこの庭に咲くが、王至森寺の金木犀が日本一である。国指定の天然記念物で、山門の西側に生殖する。因みに根元の周りが三米、地上一・五米余り。香気は二キ口四方に達するという。稀にみる巨木であった。
寺史は頗る尊い。その昔、舒明帝が道後温泉へ行幸の途中、燧灘で暴風雨に遭われた。この時、森の中の寺で難を避けられた故事に因み王至森寺と称した。伝説に、森の木を大阪小松藩が御庫屋敷の建材に用いたところ、毎夜、帰りたいと泣くような音がするので川へ流した。月日を経て現在の戻川に流れ着いたことから地名に転じたという。鎮守法性大権現の別名は大威徳明王。牛に跨り、忿怒相を現す慈と威の像で篤い信仰があった。
山門の扁額「法性出」は小松藩三代一柳頼徳の筆跡である。 (中略)一柳頼徳は名君と称せられ、当時三百諸侯きっての能筆家であった。裏山に西国三十三番札所があったが、最近境内へ移して祀っている。