第25番 光厳寺(子安観音)
詳細
●本尊/十一面観世音菩薩 ●開 山/弘義上人(中興) ●再建/天明三年(1782)
●所在地/愛媛県四国中央市金生町山田井1425 ●電話(0896)56-3586
紹介
【略縁起】
燧灘に面した川之江市の立地は、余生川の沖積平野が発達した所である。奈良時代、既に都から伊予同府に通じる太政官道が敷かれ、宿駅が設けられてあった。一方、ここを起点に阿波、土佐へ至ったことから江戸期は天領となり、代官所の支配下にあった。この為、中央との文化交流は盛んで、光厳寺の誕生仏にその跡をみる。
昔は、これより約二丁ほど奥の寺ノ谷に在り、長福寺と称し ていた。現在地へ移転したのは定でないが、説に長宗我部氏の兵火に遭ってからだという。寺史に初見するのは宝暦九年(1759)に遷化した宝厳上人を初代とする。恐らく、中興開山だと思われるが、時代の変遷にあって古記録を失ったのが惜し まれる。
境内は山門から奥に、このほど見事な御堂が再建された。本尊に十一面観音を安置。嚇灼とした信仰が窺える。特筆は、平家の武者・土釜十郎を祭る祠である。春の祭典には賑わうという。